こんにちは、ハヤシヨシナカです。

フリーランス/一級建築士として設計業を行いながら、2014年に不動産(中古マンション)を購入したのをきっかけに、不動産賃貸(大家)業を楽しんでいます。

不動産賃貸(大家)業は、サラリーマンも自営業の方でも、多くの方が副業として行える事業の一つで、かつ将来向けての資産形成としても有効な投資スタイルのひとつです。

このブログでは、私が不動産賃貸業で学んできた知識や、投資スタイル、失敗談などを経験をもとにお話しさせていただいてます。

 

今回は一般の方には馴染みの薄い「競売物件」について4つのテーマ別(その1~4)にご紹介したいと思います。
いろんな条件はあるものの相場よりも安く物件が手に入れることが出来る「競売物件」。競売についての知識を知っておくだけでも今後の不動産購入や検討の際に役に立つかもしれません。

 

「競売物件」とは、裁判所で競売にかけられる土地や住宅のことをいいます。
競売」とは、住宅ローンのような債務を返済することのできなくなった人が所有する不動産を、裁判所が差し押さえて一番高く買ってくれる人に売却し、その代金を債務の返済に当てることをいいます。

 

不動産競売の主なポイント
・競売とは、裁判所が行うオークションのこと。
・競売には不動産業者だけでなく誰でも参加することができる。
・入札期間中にいちばん高値をつければ落札できる。

競売により不動産を取得する方法とその流れ

 

マンションや戸建住宅などの不動産を取得するひとつの方法として「競売」があります。競売とは、債務者が債権者に返済をしない場合に、債権者の申し立てにより裁判所が仲立ちをして、不動産を「競り売り(オークション)」にかけて売却する特殊なしくみです。債権者は配当として売却代金を受け取ることができます。

 

[債権]…債権とは、お金やモノを貸した人が借りた人に返してもらう権利のこと。
[債権者]…債権者とは、お金をやモノを貸した人のこと。
[債務]…債務とは、借りたお金やモノを返す義務のこと。
[債務者]…債権者からお金やモノを借りている人のこと。

 

冒頭にもあるように競売は誰でも参加することができ、入札期間中にいちばん高い価額をつければ落札できます。また不動産の競売には、以下の大きく2種類あります

①強制競売
②抵当権(担保権)の実行による競売

強制競売…債権者がすでに獲得している債務名義を根拠にして、強制的に不動産を売却してしまう手続きのこと。

抵当権(担保権)の実行による競売抵当権(担保権)を設定した不動産について、裁判所を通じて公的に売却し、その売却代金をもって貸金を回収すること

いずれの場合も、競売の申し立てがなされ、裁判所を通じて売りに出されている点では同じです。

 

ちなみに競売の年間事件数を見てみると、
平成27年(例:強制競売が23,070件、抵当権(担保権)の実行による競売が約4.345)と抵当権(担保権)の実行による競売が、強制競売の約5倍の数の事件がありました。

 

(例:平成27年) 事件数 取り下げ 割合
強制競売 4.345 2.236 51..5%
抵当(担保)権 23.070 5.183 22.5%

 

もう一つ把握すべきは「事件の取り下げ」の割合です。

競売の申し立てがなされても、全ての事件で競売対象の不動産が売却される訳ではありません。債務者の弁済などの理由で、債権者が事件を取り下げることもあります。

強制競売の取り下げ割合は,約5割と、約半数の競売事件が取り下げとなります。

 

競売の方法

 

競売には、基本誰でも参加することができます。(但し、債務者や過去に入札妨害をした者などを除きます。)
不動産競売の方法としてもっもと多く行われているのが「期間入札」です。

「期間入札」とは、一定の期間中に入札を受け付ける方法で、入札期間が終わると、あらかじめ公告されていた開札期日に開札が行われます。開札の結果、もっとも高い価額をつけた人が「最高価買受申出人」と定められます。

そして裁判所が最高価買受申出人に不動産を売却することを決定(売却許可決定)をしたあと、代金納付期限が買受人に通知されます。

買受人が代金を納付すると、競売不動産は買受人の所有となり、裁判所は登記官(司法書士)に対して、買受人への「所有権移転登記」の業務を依頼します。

 

不動産競売についての流れ

不動産の競売は以下のような流れで行われます。   ※期間は目安です。

競売申し立て
 ※ローンの支払いを2ヶ月滞納すると「代位弁済手続きの告知」という通知が、3ヶ月滞納すると「代位弁済手続き開始」という通知が送られてくる。金融機関は裁判所に競売の通知を行う。

不動産競売開始の決定

差押登記嘱  ※嘱託(しょくたく)…(一定の行為をすることを)頼んで任せること。

物件明細書の作成  ※現況調査・評価の上

売却基準価額の決定

売却実地処分

競売不動産の公告・3点セットの備置き
 ※売却不動産の物件種別、事件番号、所在地、面積、構造、築年数、売却基準価額、買受可能価額、入札期間、改札期日等の情報が新聞などで公開(公告)される。
※公示からおよそ2週間後には3点セット(物件明細書、評価書、現況調査報告書)が裁判所で閲覧できるようになる。

入札の受付
 ※3点セット閲覧開始からおよそ3週間後に入札が開始される。入札期間は原則8日間。入札は入札保証金(売却基準額の20%)を納付し、裁判所に入札書類を提出して行う。

開札・特別売却
 ※入札締め切りから原則8日後、開札が行われる。落札が決まったら入札補償金はそのまま売却代金の一部に当てられ、落札できなかったら指定の口座に返却される。

売却許可決定(売却許可決定期日)
 ※開札日から1週間以内に最高価買受申出人に裁判所が売却許可を決定。

代金納付(所有権移転)
 ※売却許可決定が確定するとおよそ2週間で代金の納付期限が定められ、買受人に代金納付期限通知書が届く。代金および必要書類を裁判所に提出。期限内に納付しなかった場合、売却許可決定の効力を失う。
↓       ↓
配当      引渡し命令 → 不動産明渡執行の申立て

 

●まとめ
実際、住宅ローンが払えない人の割合は?

 

競売物件の流れをご紹介しましたが、実際に住宅ローンを払えなくなってしまった件数を表す明確な調査や統計は調べても出ておらず、詳しい実態は分かっていません。但し、住宅金融公庫が公表しているデータから分析するローンの遅延率や過去の事例を見ると、住宅ローンを払えない割合は約1~2%です。

出典:リスク管理債権 - 住宅金融支援機構(H30年/参考)

住宅ローンを滞納者は、すぐに自宅が差し押さえにあったりするわけではありません。銀行が正当な法的手段を取って競売の申し立てを行うには数カ月の時間的猶予もあり、その間にも第三者含め、支払いに対しての解決方法をじっくりと検討することが大切です。

逆に、不動産投資家目線で言うと、競売物件は相場より安価で物件を入手することができるメリットもありますが、当然ながらデメリットもあります。

また詳しくは、別のテーマでご紹介させていただきます。

 

 

 

 

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