こんにちは、ハヤシヨシナカです。

フリーランス/一級建築士として設計業を行いながら、2014年に不動産(中古マンション)を購入したのをきっかけに、不動産賃貸(大家)業を楽しんでいます。

不動産賃貸(大家)業は、サラリーマンも自営業の方でも、多くの方が副業として行える事業の一つで、かつ将来向けての資産形成としても有効な投資スタイルのひとつです。

このブログでは、私が不動産賃貸業で学んできた知識や、投資スタイル、失敗談などを経験をもとにお話しさせていただいてます。

その3の「競売物件」に続いて、今回は「任意売却」についてご説明させていただきます。

 

任意売却とは

何らかの事情で住宅ローン(借入金)が返済できなくなった場合に、金融機関の合意を得て家や土地などの不動産を所有者の意思で売却することができる方法を任意売却といいます。

競売などの強制執行を回避することを目的とした売買の売買です。

 

任意売却のポイント
・任意売却とは競売を回避して不動産を任意に売却すること
・競売と異なり、実勢価格(実際に市場で売買される取引価格)に近い額での売却も可能。
・債権者にも債務者にも、それぞれメリットがある。

 

 

任意売却のメリット・デメリットとは

 

マイホーム計画にあたり不動産を取得する場合、抵当権を設定して住宅ローンを組むことが一般的ですが、返済期間は20年~35年という長期にわたるため、何らかの事情で住宅ローン(借入金)が返済できなくなるケースもあります。そうなった場合に、金融機関などの債権者は「競売」により資金の回収を図ることができます。しかし、競売をするにも時間と費用がかかりますし、また、競売価格が実勢価格より低い価格になってしまいます。

債権者側からすれば、極論融資した資金を回収できればいいわけですから、リスクの高い(デメリットも多い)競売よりも、任意売却を検討する余地も出てきます。

では、任意売却は競売と比較するにあたり、どんなメリット・デメリットがあるかをご紹介します。

 

●任意売却のメリット

①市場価格に近い価格で売却できる。

➡任意売却は通常の不動産売却手続きで進められる為、競売と違い市場価格に近い価格「実勢価格」での売却が期待できる為、金融機関などの債権者も、任意売却に前向きとなる場合もあります。

②売却代金でローン残債務を減らせ、その後の返済計画を立てやすい。

➡任意売却は、債権者と債務者との協力で行われますので、債権者にもメリットがあります。たとえば任意売却代金でローンの残債が完全に返済できなかったとしても、毎月の返済額を減らしてもらったり、今後の返済計画含め債務自体の見直しをしてもらえたりすることもあります。

③売却物件の買主を選ぶことができる。

➡競売の場合は、入札期間内に最高値をつけた人が買い受けることになるため、こちら側で買主を選ぶことはできませんが、任意売却の場合は、たとえば親族や知人に一時的に買ってもらうというように買主を選ぶことができ、のちに買い戻す機会が出てくる場合もあります。

④引っ越し時期を調整することができる。

➡任意売却は通常の不動産売買で進める為、不動産の引き渡し時期も相談により調整することができる為、次の引越し先を見つけしっかりとその後の生活を迎えることができますが、競売だと引っ越し先がが決まっていなくても、買主が決定した段階で強制退去を求められることもあります。

⑤近隣の方に知られることなく進める事ができる。

➡④のように通常の不動産売買で進む任意売却は、引っ越しまでを含め近所の方などに知られる事はありませんが、競売だと裁判所で物件情報が公開され、インターネットや新聞にも競売物件として載ることがあるので、ご近所に知られる可能性があります。

 

●競売のデメリット

①ローンの滞納により連帯保証人に迷惑がかかる。

➡任意売却は、ローンを数カ月にわたり滞納していることが売却条件となります。当然ながらその間には、債権者から支払いの督促を受けるだけでなく、連帯保証人の方にも請求がいくととなり、多大な迷惑をかけるとともに、精神的な重圧をかけてしまうことになります。

ちなみに連帯保証人が返済してしまうと任意売却は出来ない為、予め任意売却の旨、同意をいただいておく必要もあります。

[補足事項]

任意売却に限らず、住宅ローンを3ヶ月以上滞納した場合は、信用情報機関に登録される(所謂ブラックリストに載る)恐れがあります。
そうなると、5~7年程度は審査が通らず、今後大きなローンは組めなくなりますのでご注意下さい。

②債権者(銀行)の許可がないと任意売却できない。

➡任意売却を行うには、大前提として債権者(銀行)の許可が必要となります。事前に銀行側に売却相談をします。しかし任意売却をしても住宅ローンの返済がすべて出来る訳ではない可能性も高く、残りの残債分の支払い計画も十分に説明する必要があり、場合によっては任意売却に関して、金融機関から同意が得られない可能性もあります。

但し、任意売却は市場価格に近い価格となるため、競売よりも売却価格は高額となる可能性が高く、基本的には金融機関にとってもメリットは大きいと判断できます。

あくまで債権者(銀行)の許可が必要となる為、金融機関に相談する際は、事前に前向きな交渉が出来るよう準備しておくことが大切です。

 

任意売却と競売の違いについて

 

所有者の意思で不動産を売却する任意売却は、以下の点で競売とは異なります。

「メリット・デメリット」で上げた内容のポイントをまとめてみましょう。

 

●任意売却

任意売却とは債権者と債務者との協力により、不動産の所有者が、ローンの返済のために不動産を売却すること。

通常の不動産売却と変わらない。
債権者の意思を反映することができる。

 

●競売

債権者の申し立てにより、裁判所が競売する (強制執行)

・民事執行法の規定に基づき進める(特殊性がある)
・債権者の意思は反映されない。

市場価格より20~30%ほど安い価格で売却価格が設定される。

 

●まとめ

「任意売却」は競売と違い、債権者にも債務者にも、それぞれメリットがあえりますが、大前提として債権者(銀行)の許可が無ければ任意売却することはできません。よって銀行側と交渉を行う上で、近年では「任意売却」をサポートする業者も多いです。条件やサポート体制をよく見極めて自分ひとりではなく、まわりの方に相談しつつ慎重かつ冷静に返済計画を立てていくことが大切です。

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