こんにちは、ハヤシヨシナカです。
フリーランス/一級建築士として設計業を行いながら、2014年に不動産(中古マンション)を購入したのをきっかけに、不動産賃貸(大家)業を楽しんでいます。
不動産賃貸(大家)業は、サラリーマンも自営業の方でも、多くの方が副業として行える事業の一つで、かつ将来向けての資産形成としても有効な投資スタイルのひとつです。
このブログでは、私が不動産賃貸業で学んできた知識や、投資スタイル、失敗談などを経験をもとにお話しさせていただいてます。
今回のテーマは、「その2」でご紹介させていただいた「不動産競売」のメリット・デメリットについてご紹介させていただきます。
・物件に欠陥(瑕疵)があっても、売主に責任を追及することができない。
・物件を実際に見学することが出来ず、事前調査が十分にできない場合が多い。
競売のメリット・デメリットとは
不動産競売による物件の取得も、BIT[不動産競売物件情報サイト]等で以前より手軽にできるようになりましたが、不動産業者を仲介して購入する一般流通物件と比べ、競売ならではの特殊性もあります。競売は一般の方含め誰でも参加することができます。しかし価格も一般より安い為それなりにデメリットもあります。このデメリット、すなわち競売の特殊性にはどのようなものがあげられるか、メリットとあわせてご紹介します。
●競売のメリット
①不動産を相場より安く買うことができる。
➡入札期間内に落札されるよう、市場価格より20~30%ほど安い価格で売却価格が設定される。売却価格を決定する際に「競売市場修正率」というものが使われる。
②裁判所の管轄である為、価格に対する信頼性がある。
➡不動産業者が仲介していない為、良い意味で業者の仲介手数料やビジネスにおける利益が含まれていない。
●競売のデメリット
①一般的な「売主の責任(義務)」が存在しない。
➡通常の不動産取引であれば、購入不動産に瑕疵(欠陥)があった場合、期限の範囲内において買主は売主に対して損害賠償の請求や、瑕疵の具合によっては売買契約の解除をすることができる。しかし競売の場合、どのような瑕疵があったとしても、買主の自己責任としてそのまま引き受けなければならない。
②物件を事前に内覧することができない。
➡通常の不動産取引であれば、購入前に物件の下見をすることができ価格の判断や実物による投資判断が出来るが、競売不動産という性質上、対象物件の現地案内や内覧なども自由にはできない。したがって物件の事前調査については、入札期間内で、かつ競売物件情報の3点セットという限られた情報で判断することになる。
③入札価格の設定が難しく、良い物件であるほど入札希望者が多く取得が難しくなる。
➡競売=オークションの為、最高入札額の方が物件取得の権利がある。入札者には不動産業者も多く、特に良い物件であるほど一般の方が駆け引きを行い、入札価格の設定をするのは非常に難しくなる。
④占有者(入居者)がいる場合は落札者当人が立退交渉・手続きを行う必要がある。
➡競売は債務を返済することのできなくなった人の所有する不動産を裁判所が差し押さえて売却する為、落札後でも占有者がそのまま不動産に居る、または第三者(賃借人)が居る場合もあります。その場合は、落札者ご自身により立退交渉等の手続きを行っていただく必要があります。
競売不動産の特殊性(デメリット)
不動産の競売は「メリット・デメリット」で上げたように、一般仲介物件に比べて競売ならではの特殊性があります。価格が安いなどのメリットがありますが、参加自由な競売ゆえのデメリットをしっかりと把握することが最も大切になります。そこで、競売のデメリットに関してもう少し掘り下げてご紹介を致します。
●競売のデメリットで知っておくべき大切な事
①売主の責任(義務)が存在しない。
競売不動産は売主による売却ではなく裁判所による売却であることから、一般的な不動産取引では認められている「売主の瑕疵担保責任」がないため、購入した物件に不具合や瑕疵があったとしても、すべて買主の責任において対応しなければならない。
売主の責任が存在しないため、以下はすべて自己責任になる。
・売主や第三者(賃借人)の立ち退き
・鍵の引渡し
・付帯設備の点検及び修理
・確定測量(隣地との境界が未確定の場合)
・売主や第三者の残置物の撤去
・抵当権、賃借権などの権利の抹消(司法書士)
②保証金(一時金)が必要となる。
競売には売却物件ごとに決められている「買受申出保証金」というものがあります。競売に参加するためには、参加者ご自身であらかじめこの保証金を用意しておかなければなりません。保証金の額は原則基準価額の20%(例:2000万円の場合400万円)となる。保証金は落札した場合は代金の一部に充てられ、落札できなかった場合は返金されます。
※保証金は売却基準価額の10分の2(20%)です。入札者の入札価額の20%ではありませんのでご注意ください。
③落札してもすぐに住めない場合もある
競売で不動産を買い受けた場合、裁判所に落札代金を支払えば所有者は買主に移転します。しかし元の所有者が居座り続けたり、第三者(賃借人)が入居していたりと、すぐに引渡しを受けることができない物件もある。この場合、裁判所に引き渡し命令の申し立てを行い、執行官による強制立ち退きも可能ではあるが、時間がかかる場合が多いです。落札者ご自身により立退交渉等の手続きを行っていただく場合、必ずしもスムーズにいくとは限らず場合によってはトラブルになるケースもゼロではありません。
引き渡し命令の申し立てについて
競売で落札した物件に占有者がいる場合、専有者に立ち退きを求めることになります。。任意に出て行ってもらえるのがベストですが、うまくいかないケースもありその場合は引き渡し命令の申し立てをすることができます。その後、この引き渡し命令を元に、執行官が強制的に立ち退かせることになります。
投資の原則から言えば、[安価で物件入手=利益は大きくなる(利回り◎)=リスクも増える]と言ったところでしょうか。