こんにちは、ハヤシヨシナカです。
フリーランス/一級建築士として設計業を行いながら、2014年に不動産(中古マンション)を購入したのをきっかけに、不動産賃貸(大家)業を楽しんでいます。
不動産賃貸(大家)業は、サラリーマンも自営業の方でも、多くの方が副業として行える事業の一つで、かつ将来向けての資産形成としても有効な投資スタイルのひとつです。
このブログでは、私が不動産賃貸業で学んできた知識や、投資スタイル、失敗談などを経験をもとにお話しさせていただいてます。
私の不動産投資スタイルのメインは「区分マンション投資/賃貸業」です。
資産価値が下がりづらい、1)築古20年以降の区分マンション ➝ 2)リノベーション ➝ 3)賃貸 の流れで投資を行っています。
今回は『借地権(しゃくちけん)』という土地に関わる重要な権利についてご説明させていただきます。
一戸建ての住宅や分譲マンションなどを購入した経験のある方なら耳にしたことや、重要事項説明書などで目にしたことがあるかもしれませんが、不動産を購入すると「土地+建物」がセットで所有者のモノになると考えている方も多いと思いますが、これは誤りです。
実際は「土地」と「建物」はそれぞれに所有者が存在して登記されています。
「借地」とは字のごとく、「土地を借りる」ということになり、家を建てる際に「土地を第三者から借りて、家を建てる」という方法があります。これを「借地権」と言い、借地権には様々な規定があります。
借地権には「普通借地権」と「定期借地権」があり、本テーマでは「普通借地権」についてご説明致します。
では詳しく見ていきましょう。
借地の法律「借地借家法」とは
借地借家法(しゃくちしゃっかほう)とは、建物を建てる目的で土地を貸し出す場合、つまり「土地の借主が、借りた土地に建物を建てる」ということであれば、その土地の賃貸借にかかる法律です。
借地権および建物の賃貸借契約などに関して特別の定めをする法律で、民法の特別法である。1991年公布、92年8月1日から施行されている。
従前の借地法、借家法を統合したほか、定期借地権等の規定が創設された。借地借家法では、借地権の存続期間や効力等、建物の賃貸借契約の更新や効力等について、借地権者や建物の賃借人に不利にならないよう一定の制限が定められている。
借地借家法による、①土地の賃借の権利を「借地権」、②土地の借主を「借地権者」、③土地の地主を「借地権設定者」となります。
そして
借地権には、借地契約の更新を前提とする「普通借地権」と、契約の更新はなく、当初に定めた期間の経過によって借地関係が終わる「定期借地権」があります。
普通借地権とは
普通借地権とは、借地契約の「更新のある借地権」のことです。
反対に、当初定めた期間の満了をもって借地関係が終了/更新がない借地権を「定期借地権」といいます。
普通借地権の存続期間は、借地権設定当初で30年、1回目(最初の更新)では20年、以後更新は10年単位の期間でおこないます。これより長い期間を定めることはできますが、短い期間を定めることはできません。
普通借地権は10年単位という長期での更新を前提としており、借地権の存続期間が満了する際、いちばん円滑なのは両者の合意により更新することですが、合意がなくても、借地権者が更新の請求をすれば、借地契約は更新となります。なお、地主側が異議を述べれば更新されませんが、そこには「正当事由」が必要になります。正当事由の有無の判断は、土地の使用の必要性や利用状況など総合的な見地から判断されますが、ほとんどの場合、地主は更新を拒絶できないのが実情です。
あくまで、借地借家法では、借地権者(土地の借主)側を圧倒的に有利にしており、貸主を保護する法律となっております。
また、借地権の存続期間が満了し契約の更新がない場合、借地権者は地主に対して、借地上の建物の買取請求をすることもできます。
このように、普通借地権は借地権者(土地の借主)に有利な規定が多いため、普通借地権による新たな土地の賃貸借はほぼ行われていないようです。こういったことを背景に創設されたのが、更新を前提としない「定期借地権制度」です。
普通借地権のしくみ
借地契約の更新がある借地権が「普通借地権」です。
●借地権の考え方のまとめ
●有効期間と更新について
①地主・借地権者(借主)それぞれが、土地の必要とする事情
②借地に関する従前(以前から今まで)の経過
③土地の利用状況
④地主が土地の明渡しの条件として提供する立退料
正当事由の中でも①は基準となる重要な事項で、
地主と借地権者(借主)それぞれが土地の使用にあたる必要性があるかを具体的に検討・比較した後、どちらの方が必要性が高いのかを判定することになります。
そして,地主・借地人の土地使用の必要性の比較だけでは判断できないときに,補充的な要素(②~④の要素)を加えて比較検討し,地主からの更新拒絶に正当事由があるかが判定されることになります。
※単に立退料の支払いのみをもって、正当事由があるとはなりません。
※更新を拒絶できたとしても、借地権者(借主)から建物の買取請求を受ける場合があります。